アニリミの話
アニソンを勝手にクラブミュージック風に手を加えたものを一般的にアニリミ・アニソンリミックスといいます。
アニソンの原曲はそもそもテレビで聞くこと、もしくはアイポッドで聞くことを前提として作られているので、クラブで聞くとどこかしら破綻します。クラブミュージックがクラブで聞くとかっこよく聞こえるのは、クラブで聞くことを前提に作られているからです。音楽にも適材適所があり、クラブの音響はオールラウンダーではありません。
そこで、クラブで聞いてもかっこいいように……あるいは、DJで使いやすいようにと作られたのが、アニリミです。
アニリミの作り方としては、原曲とそのインスト(伴奏のみ)の音の差異を利用してアカペラ(声のみ)を抜き出し、それにクラブミュージック要素を加えることで出来上がります。クラブミュージック要素を既存のクラブミュージック曲で作った場合、それはマッシュアップと呼ばれます。他にもエディットとかありますが、詳しく知りたい方はググってください。
さて。
アニクラにおける現在のアニリミに関して少し書きます。
まず、アニリミの供給は少ないと思います。
アニリミは、つまりはブートレグ、おたくっぽくいうと二次創作です。作るのは労苦を伴う上にリスクもあるということです。継続して作り続けている人は少なくなります。また、話題となった人は公式リミックスを作ったりすることも最近は多く、そうなると、ブートを作り公開することは少なくなります。
したがって、アニリミを作る人は減り、供給は少なくなっているのが現状だと思います。
一方、消費についてですが、アニリミを使う舞台も以前に比べ、少ない気がします。
クラブを鳴らすために作られたアニリミですが、今のアニクラのお客さんが、それを望まないことが多いです。
アニクラのお客さんはアニメでかかった曲を聴きに、アニクラに来ています。クラブミュージックのように「踊れる曲」を必ずしも求めているわけではありません。「踊れる曲」になることをバーターに「聞き慣れない曲」になってしまったのでは意味がないのです。
また、アニリミばかりが流れるイベントというのも減りました。供給が少ないので、仕方がないのかもしれません。
個人的には、アニリミだけでDJをするのはなかなかむつかしいところがあるなぁとおもっています。それは、アニリミだけでは球数が少ないのでアニメつなぎもできず、今期の話題のアニリミもなく、公式リミックスは音圧違っていてつなぎにくい、かといって、アニリミだけではクラブミュージックの本来持つジャンルなどのノリをうまく生かせず……ただBPMだけを繋いでいく……そうなると、アニリミにこだわる理由もなく、単にダサいなぁと僕なんかは思ってしまいます。
ただ昨今、オールジャンルと銘打つイベントが増えて来ているように感じていて、そこではアニリミは重宝されているかもしれません。現在のアニリミは、純クラブミュージックと純アニソンの架け橋的な役割を求められているのかもしれません。
まぁ、そうなると、生粋のクラブミュージックとつなぐことができるレベルのもの(マスタリングなども含めて)が求められるのかなぁ とか思います。
でも、アニリミって、もともとはクラブミュージックのDJが遊びでアニソンかけちゃったって時に使うものだったんじゃないのかな?これって先祖返り?って思ったり。
知らんけど(大阪メソッド)。